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  日本一の調こそビル「あべのハルカス」を背に、古風な電車が大阪の下町をのんびりと走る。阪堺電気軌道のモ161形。現役で定期運用されている日本最古の電車だ。
 生まれたのは91年前の1928(昭和3)年。いまも4両が残る。
 2011年には、うち1両が1960年代半ば当時の状態に復元された。屋根は赤みの強いだいだい色の「鉛丹色」に、車体は深緑色に塗られた。車内には、運転手と車掌が連絡を取り合うコードベル(信鈴)も取り付けられた。昭和にタイムスリップしたような風情を味わえるとあって、鉄道ファンや多くの観光客もやってくる
 90人乗り。復元した1両がほぼ貸し切り専用で、残り3両゛天王寺や通天閣周辺と堺市の「浜寺駅前」を結ぶ。

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 乗降口の段差が高く、お年寄りや体の不自由な人には乗り降りが大変だ。天嶮もしょちゅうしないといけない。「おまけに、古いから冷房の機械が付けられず、秋から春までしかはしらせることができないんです」阪堺電車の総務部の梅田郷章さん(44)は出番が少ない理由を説明する。
 そんな最古参たちにも、年1度、晴れの舞台が用意されている。初詣シーズンだ。
 三が日だけで200万人超の参拝者が訪れる住吉大社(尾坂氏住吉区)主力車両のモ701形などに交じって、他の車両より定員が多いモ161形も、北へ南へ、新春の香りを運ぶ。
 「修繕に使う古い部品の調達が難しくなっているのが悩みの種です」と梅田さん。レトロな姿にひかれ、CMや映画の撮影依頼も数多く舞い込む。「いつまでも大切に残していくためにも、積極的に対応していきたい」
   (文と写真・小杉豊和)  








(大阪市・堺市)
 阪堺電車モ16形
   (850円)米粉の麺料理で現地朝食の定番「クイティウ」(900円)など。日、木、祝日を除く午後6時~同10時半。阿倍野区阿倍野筋4の12の8  阪堺電車の阿倍野停留場から徒歩3分。カンボジャ料理店「ニャニャム食堂」。まるでアジアの路地裏にいるかのような異空間、小さな店内には手描きのメニ      住吉大社は、全国に約2300社ある住吉大社の総本社。パワースポットとしても有名で、外国からの観光客も多い。阪堺電車の住吉鳥居前停留場下車すぐ(1月1~3日は臨乗降ホームが設けれ、日中の交通規制中、住吉鳥居前は通過する)。  
 トミーティクの鉄道コレクション「モ161形車のminiature模型」1台(税込み2300円)とモ131形のラバーキーホルダー(税込み500円)をせつとで5人に ーがびっしり、来年3月に近所に拡張移転を計画中。カンボジアで修業した店主の高原輝美さん(45)が腕をふるう。「バーイ・サイッモアンの卵焼き乗せ」
 令和元年(2019.12.25)    朝日新聞夕刊より