阪堺電車   屋根伝う 調布駅前広場  漂流郵便局  日本平夢テラス  サピエル記念館 
天空の近未来  焼却場         
 
 
 山口氏中心部の丘の中腹から、高さ53メートルの2本の白い塔がそびえる。丘を登ると、テントをモチーフに家移築されたいう三角屋根が見えてきた。ステンドグラスが美しい聖堂内で、両手を胸の前で交差させて見上げた有名な壁画と対面した。
 日本にキリスト境を伝えたイエズス会の宣教師フランシスコ、ザビエル。1551年に建てられたのが、山口サビエル記念聖堂だ。「ザ」ではなく「サ」ビエル。主任司祭の百瀬文晃さん(79)が「出身のスペイン・バスク地方の読み『シャ』からいう説が有力です」と教えてくれた。
     
     ●  ●  ●  ●  ●

 旧聖堂はザビエルの生家の城を壊したロマネスク建築のデザインだったが、1991年に全焼した。信徒の増野訓人さん(77)は「塔が焼け落ちるのを目の当たりにして悲しかった。隣にいた信徒は泣いていました」と振り返る。石造りのように見えても実は木造モルタルで、焼け跡には鏡しか残らなかったという。
 98年に約18億円をかけて再建されたのが今の聖堂だ。当時のイタリア人神父らの希望で、白亜のモダンな姿に。「山口の風景に合わない」「元の方が良かった」と言われもしたが、斬新なデザインは信徒ではない人や若者らをも引きつけ、話題になつた。
 聖堂内部の写真撮影も許可している「開かれた教会」だ。「山口は日本のクリスマス発祥の地」とPRする毎年12月のイベントでは、会場の一つとしている。百瀬さんは言う。「ザビエルの精神を知ってもらい、守っていく場所。きっかけは何でもいいんです。
        (文・大隈崇、写真・吉本美奈子)

   山口サビエル記念館



(山口市)
 令和2年(2020.1.8)    朝日新聞夕刊
sabieru,