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舟小屋成す部の公開は午前10~午後5時ごろ。10月6日待て
 輝く湖面に浮かぶ「禅画」
 
  新潟港から高速船ジェットフォイルで約1時間。佐渡島の表玄関・両津港に着いた。初秋の日差しを浴びながら、幹線道路を30分ほど歩くと、汽水港で日本百景の一つ、加茂港が目の前に、湖畔にたたずむ古びた船小屋の中には、きらめ湖面を背景に禅画の「内相」のような景色が広がっていた。梁からワイヤがつり下げられた直径2メートルの円。近づくと、古いロープの束だつた。
 作者は、米国在住の海洋科学者でアーティストのイーサン・エステスさん(30)。日本海を北上するクロマグロの研究のため、5~7カ月に水揚げが盛んにな佐渡を訪れるようになつた。今年制作した本作は漁船の甲板にあるコイル状のローブら発想したという。廃業されていたプラスチックを使った。「円」の形には、プラスチックのリサイクルを願う気持ちも込めている。
 サーフィンが趣味のエステスさん。波乗り後は、手に持てる範囲でゴミを拾って帰るという
サーフィン仲間の伊藤渉さん(37)は、「拾ったゴミがこんなアートに変わるんだな」と感心する。
 展示場所は自然と人間、海と陸の境目だ。制作を依頼した「さどのさどの銀河芸術祭」の発起人でアートディレクターの吉田モリトさん(47)は、「人間と海の関わりを考えさせられる彼の作品は、佐渡の自然にぴったりでした。
     (牧野祥、写真も)

 <アクセス》佐渡・両津港か
       ら来るまで5分
 
 子どもの未来 閉ざせぬ国に  入管収容という問題4⃣
 強制過去が決まった外国人の中には子どもたちが含まれている。在留資格のない親と共にさない時に来日したり、日本で生まれたりしたこどもで、多くは母国語より日本語の方が得意だ
  出入在留管理庁(入管庁)は現在、強制過去の対象だとしても、未成年者は収容せず、仮放免する。そのため、子どもたちは日本人と同じように学校に通い、友だちを作り、成長している。
 しかし、彼らには日本人とは異なる現実がある。在留資格を持たない両親は就労できず、医療保険にも加入していないからだ。

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 埼玉県川口市や蕨市周辺に
 はトルコ出身のクルド人が多く住んでいる。支援者らによると、その数は2千に上るという。
 弁護士の大橋毅さんによると、クルド人の多くは、トルコでクルト語を禁じられたり、差別的な扱いを受けたりして迫害の対象だ。このため日本でも多くが難民申請をしているが、これまで認定されたクルジ人はいないという。大橋さんは「2017年のトルコ国籍者の難民認定率は世界平均で約35%だが、日本ではゼロ」と話す。
 18年12月、難民認定されず、帰国もできないクルト人の4家族が在留資格を提訴した。その後、新たに1家族を加えた5家族には20歳前後から5~6歳まで、17人の子どもがいる。その一人、マザン・ドゥルスン(22)は「自動車整備士として日本で働きたい」と話す。代理人の大橋さんは「子どもたちの多くは10年前後を日本で過ごしている。子どもの最善の利益を守らなければいけない」と提訴の理由を説明する。
 子どもたちがこれまで裁判所で意見陳述をここで紹介したい。
 「僕はこれからも絶対に本で学びたいと思っています。僕の知識はすべて日本語で勉強も日本語です」「修学旅行のお金を払うことができず、中2の時に学校に行かなくなりました」「両親に負担かけられないので、友だちの誘い毎回、うそをついて断っています」「入管庁では『学業より出頭することが優先』と言われました。本当でしようか」
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  子どもたちが仮放免のまま成年になれば、親と同様、収容されるかもしれなず、就労できず、支援に頼って生きる道を歩むことになる。自力ではどうにもならない。
 かの放免中の子どもたちは将来、日本に多様性をもたらす国際的な存在になりえる。その芽を社会の中で育てることはできないか。
 私案にすぎないが、超過滞在の親に対しては人材が不足している分野で一定期間、その後の正規滞在を視野に有形の社会貢献をしてもらってはどうだろう。親がそれを実行すれば子どもには在留資格を出してもよいのではないか。
 外国人は在留資格を習得すべきだが、資格がなければ収容などで人間性が損なわれる環境下に置かれても仕方がないとはたしていえるだろうか? 文明国である日本ず、子どもたちの未来を閉ざさない社会であったほしいと願うばかりだ。
         (鬼室黎)
 (令和元年)2019.10.6日(日)  朝日新聞夕刊