宮尾俊太郎・20周年記念特別バージョン。
 『ボレロ』ラヴェル作曲(振付 ローラン・プティ)
 184センチの長身でリアルな8頭身。放つオーロラは王子様そのものの宮尾俊太郎が、海賊の首領になる。2015年にプリンシパルに昇格したKバレエカンパニー公演「海賊」でコンラツドを演じる。
 海に生き、海に散る男たちの荒々しい生きざまを描く冒険活劇で、男性ダンサーが活躍する。芸術監督の熊川哲也に憧れて入団した男性ダンサーも多く、層の厚いKバレエの特性が十分に発揮される。「見どころですか? Kバレエの誇る若手ダンサー、そして僕、ですかね」うわ、格好良すぎ、でも、その通り。
 熊川が演出する「海賊」は豪華そ
 














宮尾俊太郎(33)
Kバレエカンパニープリンシパル 
 のもの。略奪の限りを尽くし、美酒に酔う海賊たちがあり狂う海で難破するプロローグから、一気に熊川の世界観へと引きずり込む。「船のサイズ感が実に大きい。船体に施された彫一つにしても素晴らしく、熊川さんのこだわりが詰まっている」と明かす。
 もう一つ協調するのが衣装だ。ポイントは、生地の少なさ。「ほかの作品に比べて肉体美を発揮できますから」。ますます見たくなる。「剣術も採り入れ、迫力ある男性的要素のすべてが入っているので、お子さんや男の人にも楽しんでいただきたい」
 最近はミュージカルやドラマにも進出。刺激を受けている。
  最近はミュージカルやドラマにも進出。刺激を受けている。俳優の織田裕二と共演したときには、ハーバード大学出身という役の設定について質問攻めにあつた。「ハーバードの場所を調べるところから、役を掘り下げる必要があると気づかされた。答えられない自分が恥ずかしかった」
 他流試合が増えるなか、「バーレッスンのバーにつかまつていると、ほつとしますね」。バースタジオでは誰とも口きかず、ひたすら身体と向き合う。寡黙さがまた絵になるが、取材中は冗舌だつた。「全然王子様キャラじゃないですから」とノリがいい。こんな首領ならついていく。文・谷辺晃子 写真・伊藤菜々子
 上方で発展した伝統的な三味線音楽、地歌。その一つ、「末の契」は寄る辺のない女性の恋心を波間に漂う小舟にたとえた曲だ。13日に大阪・日本橋の国立文楽劇場である「新進と花形による舞踊・邦楽鑑賞会」で上演される。
 演奏するのは竹山順子(歌・三弦)=写真右=と国見政之輔(尺八)=同左=ともに関西を拠点とし、何度も共演している実力派だ。
 「白波の、かかる憂き身と知らでやは」と始まる「末の契}   
は、江戸時代に京都でつくられたとされる曲で、歌詞に掛けたことばが多い。「難解だけれど、とてもいい歌詞。短い曲だが、荘重で大曲」と話す竹山は、歌いながら三弦(三味線)を弾く。「シャープではっきりとした音色を出したい」と言い、「末永くいつまでも愛情が続いてほしい女性の心情を、心込めてしっとり歌いたい」と力を込める。
 この曲は「手事物」と呼ばれ、歌の間に楽器のみの間奏が入る。そこが尺八の聴かせどころだ。国見は「昔はさらっとしていてピンとこなかつたが、いまはそこがいいと考える。とはいえ、お歌が主役。歌い上げられているところをやわらかく、すっきり後押ししたい」と話す。
 午後1時開演。ほかに地歌舞や筑前琵琶、筝曲、長唄演舞も。チケットセンター(05730739900)
      (向井大輔)
知られざるソナタに挑戦    直後の作品。ストラピンスキーのような強いリズムズム憧れを表している。技術的にも精神的にも容易に向き合えない」と感じる。
 この曲を上田に託したのは、リサイタルの開場となる大阪府豊中市の「ノワ・アコルデ音楽アートサロン」の主宰者、平井悦子さんだ。平井さんは94年、チェコを旅した際に楽譜を手に入れた
夫でクラリネット奏者の万佐治さんに演奏をしてもらうつもりだったが。かなわないまま夫は死去
 「上田さんなら、とお願いしたら快諾してくださった。東欧の知られざる現代曲の芽吹きを感じてほしい」
 開演は18日午後7時。ほかにブラームスのソナタ第2番など。ノワ・アコルデ事務所(06006862.8855)。350円、
学生250円。          (谷辺晃子)
クラリネット奏者・上田希 18日公演 
  チェコの作曲家ビクトール・カラビス(1923~2006)のクラリネット・ソナタが18日、関西きっての実力派、上田希のリサイタルで演奏される。珍しい曲で、上田自身も「聴くのも演奏するのも初めて。カラビスという名前も初めて知った」と明かす。
  大阪音楽大学からアメリカのジュリフード音楽院に留学。日本音楽コンクール1位など実績を誇る上田は現代曲が得意だ。初対面のソナタについて、「68年に旧ソ連などが旧チェコスロバキアに軍事介入した