No1  No2  No3  No4  No5  No6   No7      
 何よりも自分がりこうそうに振る舞うのは、とても見苦しいですね。
 自分にはまだまだ足りない物があると思うと、物をどんどん吸収できていっそう大物になれます。
 この作者はそなことをよく知っていて、悠然と生涯をすごしました。
 ただ、お酒を飲むのは大人の世界。
 君たちなら、ちょっとしたゲームや友人どうしのお喋り、とにかくたまには遊びの時間をもつ方が、勉強勉強と毎日精魂こめて生活している  ゆとりの時間 ほどよく持とう
 よりいいのだと、この作者はいうのです。
 たとえば紐。ピンとひっぱってばかりいると、すぐ切れてしまう。
 人間も同じでしょう。
 気持ちにゆとりがあると、よく考えられます。遊び感覚をもっと。勉強にも仕事にもはずみがついて、一層よくできます。
 しかし、これをいいことに、ぶらぶらと遊んで人生をすごすとしたら、それは最低です。
  (富山・高志の国文学館長
          中西進)
  神戸市広報課のウェブサイトで2年間、エッセー「ごろご、神戸」を連載してきた。ベビーカーを押した歩く町の日常風景を写真や文章で描き、行政の広報らしいからぬ詩情豊かな筆致で人気を集め、年内をめどに書籍化される見通しだ。
 大阪出身、20代半から全国を転々とし、4年前に14年住んだ東京を離れて神戸へ移住。古い市場や商店街にひかれ、我が子がそこで走り回る姿を想像した
 ブログ黎明の2003年から日記を公開してきた。
 取り上げるのは話題のカフェではなく、個人商店の焼きそばや駅前のベンチ、路地裏の猫。外から観察するジャーナリストよりも、生活に根ざした身辺雑記に魅力を感じる。
 愛した風景は再開発で姿を消しつつある。
「市場とか絶対なくなつたらあかんと思うけど。後継者はいないし、路地に建ってるマンションを爆破するわけにもいかない」。淡々とつづられた下町賛歌は哀愁を帯びる」
            (田中ゑれ奈)
寺院「低収入」が過半数  
  東高西低の傾向広がる格差 
 2015年6月に曹洞宗が実施した「宗勢総合調査」に関わった相澤さんや川又俊則・鈴鹿大教授らは、このほど「岐路に立つ仏教寺院」(法蔵館)を出版し、人口減少社会での寺院の実態を多角的に分析。相澤さんによると、調査で浮かび上がったのが、「低収入寺院」と「高収入寺院」の格差拡大だ。住職の専業で家族の生計を成り立たせることが不可能に年収500万円以下の「低収入寺院」が過半数に55  日本社会が人口減少に突入するなかで、多くの寺院が存続の岐路に立たされている。曹洞宗が全国約1万4千カ寺を対象に実施した調査では、過半数の寺が年収500万以下の「低収入寺院」であることが明らかになつた。過疎地を中心に檀徒数の減少が背景にあるとみられ、調査に携わった相澤秀生・跡見学園女子大兼任講師は、供養を軸とした日本の宗教文化が揺らぎかねないと警鐘を鳴らす。
曹洞宗全国調査
%を占めたが、専業可能な年収1千万円超の寺院は17.6%と前回05年の調査から5.5ポイント増加した。
 地域別では北海道や東北、関東で高収入寺院が多い。一方、甲信越や北陸から九州までの西日本では低収入寺院が多く、東高西低の傾向が見られた。檀家の世代交代も進み、相澤さんは「過疎地では葬儀をするたびに檀家が減るような状況もある」と話す。
 葬儀では導師の他に数人の僧もつく
 壇徒減少 揺らぐ葬儀の担い手
 のが一般的だつたが、ここ数年で導師1人のみの葬儀が増加し、収入低下に拍車をかける。僧侶の兼職で低収入寺院を維持してきたが、近年は就職先の減少や宗教活動のための休暇を取得できる職場が限られ、調査では後継者のいない寺も過疎地、非過疎地とも4分の1ほどにのぼる。相澤さんは「このままでは教団の存続すら危ぶまれかねない」と指摘する。
 現在、日本の葬儀の9割は仏式とされ、そのほとんどを担うのが仏教寺院だ。その寺が消えていくことは、死者のための儀礼を行う受け皿がなくなっていくことを意味する。新潟県糸魚川市の曹洞宗寺院出身の相澤さんは、周辺で目立つつある空き家に、寺院の将来が重なって見える。「朽ちて打ち捨てられたお寺が社会の原風景になる可能性がある。檀家と寺院の双方で死者の供養を行ってきた日本の宗教文化を失われつつあるのかもしれません」
 「岐路に立つ仏教寺院」はA5判、324ページ。税別3千円。問い合わせは法蔵館(075.343.058)。
        (久保智祥)
令和元年(2019.10.5日)   朝日新聞夕刊