令和 天皇陛下   新天皇陛下 内閣改造  即位の礼  緒方貞子  即位パレード   
    
 「祝賀御列の儀」でオープンカーから手を振る天皇、皇后両陛下=10日午後3時5分、皇居外苑、内だ光撮影
 
 天皇陛下の即位に伴うパレード「祝賀御列の儀」が10日午後に行われた。秋晴れの下、天皇、皇后陛下はオープンカーに乗り、皇居・宮殿からお住まいの赤坂御所(東京都港区)までの役4.6キロを30分かけて進んだ。沿道には平成の即位パレードを超える約11万9千人が集まり、皇后雅子さまが涙をぬぐう場面もあった。
 天皇陛下が即位を内外に宣言した「即位礼正殿の儀」があった先月22日に実施予定だつたが、台風19号の被害に配慮し延期されていた。これで即位に伴う国の儀式
五つが全て終了した。
 「時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたい」。天皇陛下は即位前の会見でこう語っていた。パレードでは、両陛下と国民が少しでも近づくよう様々な工夫が凝らされ、次代の変化を感じさせる動きもあった。
 コースは上皇さき即位バレードとほぼ同じだったが、沿道から見えにく高速道の高架下にあたるルートを極力避けた。前回は国会正門前から三宅坂交差点を経由したが、今回は、その手前の憲政記念館前を左折し国会図書館や自民党本部前を通った。
 オープンカーの両変化の姿が良く見えるよう。お二人が据わる後部座席は前席より4センチ高く、背もたれの角度も後ろに25度傾けて固定。天皇陛下は沿道の左右に目を向け、皇后雅子さまとともに、待ち受けた人たちの呼びかけにうなづくようなしぐさも見せた。 
 前回のパレードでは過激派の活動が激しく、路上に爆竹が投げ入れられる事件も起きた。今回、警察当局は約2万6千人態勢で警戒したが、大きなトラブルはなかった。
 SNS時代を反映し、沿道の人たちは両陛下の姿が見えると
 一斉にスマートフォンやデジタルカメラを向け、写真を次々投稿した。1928(昭和3)年の昭和天皇の即位の礼の際は、多くの人が正座して馬車列を出迎えた。2014年ごろには上皇ご夫妻を間近で撮影した写真を載せたツイッターへの投稿が「炎上」したこともあったが、今では写真や動画がネット上にあふれる。
 「近しく親しみ」
 象徴天皇を研究する河西英哉・名古屋大学准教授は「平成を通じて国民と皇室との距離が近くなり、令和の今回のパレードでも、多くの人々が天皇、皇后を権威的な存在ではなく、どこか近くて親しみを持てる存在と受け止めていると感じた」という。
 「SNSへの投稿も、天皇、皇后への好意や共感を増幅させる効果がある。国民との関係が、時に気軽に言葉を交わす欧州の王室のような形になりつつあるように思えた」と話した。
    (中田詢子、長谷文)
 
 
   
    皇居正面近くには、朝から大勢の人が集まった。最前列にいた神戸市の会社員鈴木和夫さん(35)は、前日夜を都内の漫画喫茶で過ごし、午前4時に現場に着いたという。「令和の時代が始まる実感を得たくて」
 「活躍うれしい」
 祝田橋交差点付近には10列を超える人垣ができた。埼玉県の女性(80)は、上皇ご夫妻の結婚に伴う三つのパレードを現場で見たという「ご苦労された雅子さんが活躍されている姿を見られてうれしい。頑張ってと伝えたくて」と話した。皇后さまは歓声にこたえるなか涙目になるなど感激した様子を見せていた。
 パレード後半の青山通り。ビル4階にある滝沢デンタルクリニック(東京都港区)では、患者や従業員ら十数人が見守った。    10日に行われた天皇皇后両陛下のパレード「祝賀御列の儀」。秋晴れの下。沿道には大勢の人たちが詰めかけた。祝福の声が上がる一方で、人並や厳しい警備による影響を受けた人もいた。
 台風で被災した千葉県在住の患者もいるといい、滝沢友日子院長は「災害の多い大変な時代。お若い天皇なので日本を良い方向に引っ張ってもらいたい」と期待を込めた。
 一方、多くの人出や厳しい警備に振り回された人も。仮設トイレに数百人が順番待ちをし、手荷物検査場の列は列は最後尾が見えないほどだつた。国会図書館が休みとは知らずにやって来たという埼玉県鶴ケ島市の佐藤光徹さん(81)。パレード前に帰宅しようとしたが、「厳しい警備で最寄りの駅までどあやったらたどり着けるのか」と困惑の様子だつた。
 平河町交差点そばのコンビニエンスストアは、普段の倍近い弁当ややにぎりを用意して臨んだ。規制線が貼られて客入りが激減。オーナーの男性(61)は「多くが廃棄になるかも。でも、お祝いごとだからしようがないですね」と苦笑いだつた。
 直前に入場制限
 青山通り沿いの豊川稲荷(東京都港区)はこの日、混雑を避けるために、出入り口の門を閉めた。境内で食事を出す茶店「菊家」は、記念のせんべいセツト約500袋を用意したが、販売できなかつた。パレード終点となる赤坂御所前の明治記念館では、旅行会社「クラブツーリズム」規格のランチツアーに10~80代の17人が参加。兵庫県明石市の女性(66)は、小学4年生の孫(10)らと手荷物検査に並んだが、パレード開始直前に入場制限に。結局、警備隊の後ろ姿しか見えなかった。「残念やつたなあ。こんな人がいるなんて」と肩を落としす一方、「荘厳な雰囲気は味わえた」と話した。
2019.11.13(水)  朝日新聞朝刊