池田エライザ 松原智恵子  岡田准一  香取慎吾   石橋静河 菅田将暉  星野源  吉永小百合 
 稲垣吾郎              
すだ・まさき 1993年、大阪府出身。2009年にデビュー。主な出演映画は「共食い」「あゝ、荒野」「銀塊」など。歌手としても活動し、10日にはCDアルバム「LOVE」
を発表。「アルキメデスの大戦」(山崎貴監督)25日公開
   セージを発した最終話は高視聴率を記録し、特に若者から大きな反響があつた。「デジタルに泣けた世代だけど、みんな人情味を欲しているんたと知ることができた」
 自身の影響力や俳優としての責任感を意識した。そんな姿が頼もしい。「僕もエンターティメントを見て、学び、成長しましたから、やっぱり表に出るからにはいい目立ち方しないとなと思います。逆だと、悪影響になっちゃいますからね」
 文・小峰健二 写真・篠田映美
菅田将暉主演映画
「アルキメデスの大戦」 
 戦争の愚かさを歌える今作で主人公の櫂直を演じる理由を「いま危機感があるから」と明かす。例えば、戦時中の恐怖を実体験で伝える世代が少なくなっていくことに、焦りを感じているのだいという。
 「僕が小さい頃は、夏休み中に戦争体験者の話を聞く機会がありました。でも、あと10年、20年もすれば、もうそんな方に会えないかもしれないわけです」。だからこそ、「僕というツールを通じて、事実を知ってもらうことが今回の役目なのかなと思っていました」。真っすぐ
 生の実感 失いたくない
一人と言われる天才数学者である櫂が、対米開戦を視野に入れて軍によって進められる戦艦大和の建造を、なまなざしで、そう語る。
 舞台は930年代。100年に一人と言われる天才数学者である櫂が、対米開戦を視野に入りて軍によって住められる戦艦大和の建造を、数字によって阻止しようとするフィクションだ。予算を度外視した建造計画の情報を秘匿する推進派と、会の知恵で計画の穴を見つけたいと反対派―。その攻防を描いていく。
 櫂は巻き尺を携帯する計測マニアで、何でも数字にしないといられない変わり者。そこに魅力を感じた。
 「分からないものがあれば、櫂は
眼で見て計測し、触って知ろうとする。今の時代は店に行かなくても物が買えるし、人に会わなくても対話できるけれど、やはり肌と肌のふれあう温かみや、吐く息の感触、生を感じる実感が大事ではないでしようか。そうしたものが失われてきたことにも危機感があるから、今やるべき映画であり、演じるべき役柄だなと感じるのです」
 匿名でやり取りされるSNS社会の暴力性を暴いたドラマ「3年A組 今から皆さとは、人質です」で主人公の教師を演じたのも、同じような思いからだつた。菅田が熱っぽい演技でメッ
カンヌ受賞作「存在のない子供たち」
  レバノンの貧しい子供たちを描き、昨年のカンヌ国際映画祭で審査員賞を得た「存在のない子供たち」が公開されている。ナディーン・ラパキー監督はキャストに職業俳優を使わず、実際に貧しい生活を強いられている子供や大人を起用して、レバノンの貧困の実態をえぐり出す。
 主人公の少年ゼインは推定12歳。出生届がないために年齢が分からない。映画は彼が両親を「自分を産んだ罪」で訴え、
法廷に立つところから始まる。彼は、男を刺した罪で少年刑務所に収監中の身だ。一体なぜ男を刺したのか、そしてなぜ両親を訴えたのか・・。
 キャスティングについてラバキー監督は言う。「私自身は社会の隅に追いやられたことはない。だから私に実態を教えてくれる人を探した。彼らは生きる力をどこから得るのか。きゃかとと話すことで、多くのものを学んだ。
 ゼインを演じたゼイン・アルラフィーアが哀愁を含んだたたずまいを見せる。「彼には、路上生活で身につけた知恵を感じた。いろんなつらい経験をしていることが、セリフではなく、老成した彼の目を見るだけで伝わってきた」
 ゼインは図らずもヨナスという赤ん坊の面倒を見ることになる。当時1歳だつたトレジャーちゃん(役で
 では男の子だが、実際は女の子)
が脅威の演技力を燃せる。「脚本を書いている時は『赤ん坊にこんな芝居を求めるなんて無理だろう』と思っていた(笑)。彼女と出会ったのは奇跡。私にとってはまさにトレジャー(宝物)だつた」
 ゼインの両親は、鉦のために、11歳の妹を中年男と結婚させなど、非道の限りを尽くす。しかし、母親は法廷で貧しい生活環境を強調し、『私たちは悪くない』と主張する。
 「虐待をやめない現実の親たちの話を聞くうち、観客も一度は彼らの視点に立つべきではないかと思った。私たちは、虐待する親のことを、よく知りもしないで断罪しがちだ。でも、彼らも子供の頃に虐待を受けている場合が多い。親を責めるだけでは、負の連鎖は断ち切れない」
    (編集委員・石飛徳樹)
   レバノンの貧困実態をえぐる 
令和元年.8.10日(土) 朝日新聞夕刊