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 中学生の時、自分の生まれた地名が「静岡県清水市二の丸町」(現静岡市清水区)であることから、そこが江尻城という城があつた場所と知ったのが城好きとなるきっかけです。それから庵原山城、諏訪城・・、静岡県内の城を「攻め」落とし、大学生、落語家になると全国に進出、攻略した城は600城ぐらいですかね。
 ここ数カ月は新型コロナウイルスの影響で遠出できず、都内にある自宅近くの城跡でうさ晴らしていました。うちの奥さんはあまり興味がないみたいなので、まずは姫路城や弘前城につれて行きたいですね。
 以前は「城イコール天守」
という人が多かったですが、城はもつと奥が深い。僕は天守より時代が古い中世城郭のファンです。建物は残っていないが、空堀や土塁などの遺構を見て当時の様子を妄想するのが大好き、中世の城郭は地域ごとに特色があり、バラエティーに富んでいて魅力的です。
 今の城ブームは中世城郭まで目が向けられてきました。ようやく時代が僕に追いついたのです(笑)。中世城郭も整備され、ずいぶん見やすくなりました。半面、整備しすぎて魅力を損なってしまう所も。城は本来、人を寄せ付けないようにするのが役割ですから。
 史跡として完璧に保存するのがいいか、公園化して多くの人が楽しめるようにするのがいいか。う-ん、難しい問題です。
「のぼうの城」 2007年刊 和田城  ◀◀多様化する城ブーム
 小説『のぼうの城』の舞台となつた忍城(埼玉県行田市)は、現在の城ブームのシンボル的な存在。
 特に際だった遺構があるわけではなく、御三階櫓も1988年に完成したコンクリート製だ。隣接の市郷士博物館の年間入場者数は開館からしばらく3万~5万人だつたが、小説の発表とともに増え
始め、映画化された2012年は12万人を突破。その後も8万~9万人で推移する。
 人気上昇の理由について、鈴
木紀三雄館長(53)は、「小説・映画による知名度アップや市による観光PRの効果などもあげられるが、背景にあるのは城ブーム」と説明する。単に施設を見るだけでなく、城のもつ物語が引きつけるようになったというのだ。
 小説の題材になったように忍城の物語はドラマチックだ。豊臣方の大軍に包囲され、水攻めを受けるが、知恵と
 城の中心である天守は全国にあったが、明治政府の廃城令や太平洋戦争の空襲で次々と失われてきた。江戸時代以前から残る天守は兵庫・姫路城など全国12  

















しのぐ、守る成田長親、攻める石田三成ら登場人物も魅力的だ。3年前には物語柱も評価され、日本城郭会が選定する「純日本100名城」に選ばれている。
  
天守だけじゃない物語が魅了 
カ所しかない。
 戦後復興、経済成長とともに復活の動きが加速する。戦災で焼けた名古屋城や和歌山城だけでなく、岐阜城など天守の外観や構造が不明なものも建てられた。
 空前の好景気であるバブル前後には、天守がなかったところにも建てられるようになる。秀吉が一夜で城を建てたという逸話で有名な墨俣城(岐阜県大垣市)に巨大な天守が立ったのは牟21世紀だ。
 現在の城ブームは21世紀に入ったころから始まり、戦国ブームなど追い風になつたという。日本城郭協会が「日本100名城」を指定して、スタンプラリーを行ったことも大きかった。
 天守の任期が中心だった城ブームは多様化してきているという。同協会理事の加藤里文さんは(62)は「今のブームは本物志向や物語性がキーポイントになっている。女性が牽引している場面もあり、天守そのものよりも、武将や城のドラマ性が魅力の大きな要素になっている」と話す。
 例えば、群馬県みななか町の名胡桃城、上塁や彫など比較的良好に残された遺構のほか、豊臣秀吉の北条攻めのきっかけとなつた城として人気を集めている。
 本物志向でいえば、かつてあった木造天守を復元しようというのが近年の傾向だ。
 「尾張名古屋城は城でもつ」とうたわれた名古屋城。江戸時代初期に建てられた天守は、世界遺産の姫路城を超える規模を誇ったが、空襲で焼失、戦後、コンクリート製の現天守が建てられた。
 木造復元は河村たかし名古屋市長の公約だ。焼失前の豊富な資料に基づき、外観だけでなく内部まで正確に復元できることから事業を進めている。特別史跡てある天守台石垣の上に現天守を壊し、木造天守を再築するといった点でも、大規模で高層の木造建築物をたてるといつた点でも、極めて異例の事業だ。
 北海道でも動きがある。松前町にある松前城は明治の廃城、戦災を免れたが、戦後の49年、役場火災の飛び火で三層天守が焼失した。その後、コンクリート製の天守が造られたが、経年による耐震性不足もあって、木造復元を目指すことになり、具体策を検討中だ。同町教育委員会では「木造天守復元は町民の悲願ともいえる。復元できれば、町として貴重な文化施設となり、城ブームによる観光活性化も期待できますむと話している。
       (斎藤勝寿)
 (令和2年)2020.7.3日    朝日新聞