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   今年2月27日木曜日のことだった。新型コロウイルスの感染拡大を防ぐため、安倍晋三首相は、週明けの3月2日から小中高などの一斉休校を要請した。
 その日の夜から、NPO法人カタリバ(東京都杉並区)の代表理事、今村久美
さん(40)は「ネット上でフリースクールのようなものができないか」と動き出した。
 2001年の発足以来、カタリバは中高生の養育支援や居場所作りに取り組んできた。東日本大震災をはじめ、自然災害の復興支援
 居場所 オンライン上にも
 

民の力で立ち向かう3?
 経験も豊富だ。災害が起きると、通っていた学校が突然なくなるような環境変化に子どもたちは追い込まれる。加えて、避難所で朝から晩まで母娘が顔をつきあわせることの大変さを今村さんはこう表現する。
 「不安なことも相まって
 被災地では、体育館などを借りて子どもたちの居場所を作る活動を行ってきたカタリバ。「今回の一斉休校でも被災地で起きたのと同じことが起きるのでは」と心配した今村さんたちは猛スピードで準備を進め、3月4日にはオンライン会議のシステムを使い、「子どもの広場」である。全国小中学生が対象で、登録するだけで参加でき、費用はかからない、これまでに2千人以上が参加した。
 広場では毎朝日課表が示され、朝9時半と夕方4時にはホームルームのような「サー   親がイライラして怒りっぽくなったり、育児放棄につながつたり。子どもは子どもでゲームばかり、なんていう光景をこれまで嫌というほど見てきました」
 教えるのはボランティアの「師匠」たち。海外交流を行うNPOと協力、韓国やフィリッピン、モロッコ、キルギスなど30ヵ国の子どもと交流するオンラインならではのプログラムで保護者会もある。
 そんな生活に慣れてくると、子どもたちのほうから「自分たちでプログラムを作りたい」という声が上がり始めた。そこで相談の上、「ウルトラマンについて話そう」「中学生が教える   クルタイム」がある。「朝ちゃんと起きて規則正しい生活を送るため」だ。
 その合間には絵本の読み聞かせやフリートーク、折り紙、書道など、各自が好きなプログラムに参加する。「居場所」だから、学校の科目以外のプログラムが多い。参加者は学年に関係なく、自分の好きなものに参加できる。「誰も入ってこられる場」だ。
歴史上の偉人講座」などの企画が現実した。
 ただこの取り組みはそれぞれの家庭にネット環境が整っていないと参加できない。そこでカタリバは4月から就学援助を受けている100以上の世帯にパソコンとWITH無性貸与を始めた。
 学校再開の動きが広がる中、5月31日まで休み続けたが、継続を希望する声が多く寄せられたため、6月1日から3日間休んてだ後、今も続けている。
 今村さんはこう話す。
 「リアルな場では自分の意見が言えなくても、オンラインの居場所の方が自分が出せる子どももいる。リアルな学校やオンライン上のフリースクールなど、子どもたちにとって、学ぶ場の選択肢が増えるといいな」
       (秋山訓子)   
 令和(2020.6.26日)      阿蘇日新聞夕刊