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築き上げた「ラクビー人生観」 |
五郎丸歩選手 海外でも経験重ね |
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「海外の文化に触れ、自分のラクビー人生観みたいなものを変えていきたいんですよね」
2006年の春、彼はまだ20歳だつた。
今季限りでの現役引退を発表したラクビー元日本代表FB五郎丸歩選手(34)=ヤマハ発動機=が早大3年生だつた時、単独インタビューで話してくれた言葉だった。若いのに視野が広いんだな、と驚かされたのを覚えている。
15年ワールドカップ(W杯)。「スポーツ史上最大の番狂わせ」と呼ばれた南アフリカ戦の勝利。独特のルーティンから繰り出される正確なゴールキックは改めて振り返るまでもない。
最後にロングインタビューしたのは、W杯日本大会開幕の1年前、18年の夏だつた。
本場の豪州、フランスへの移籍を実現させ、ヤマハに戻っていた。プレーそのものよりも、各国で触れた選手とファンの関係性、応援スタイルといった話の方が盛り上がった。
「豪州では有名な選手が家族と街中を歩いていても、周りは声もかけず、そっとしておく。リスペクトというか、ラクビーと一緒に歩んできたという地域の歴史があるんでしょうね」
フランスはにぎやか。試合の日は朝から市民バンドの |
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で楽しみ尽くしていた」
海外では、スポーツが、『生活になくてはならない文化』だつた。日本もそうなればいい」
様々な経験を重ね、確かに、この人だけの「ラクビー人生観」をつくり上げていた。あと1シーズン、選手人生を全うしていたら、新しい形で日本のスポーツ界に貢献してくれるのではないかと思っている |
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2020.12.16 朝日新聞 |